◆選り抜き記事◆星の夢

2006年10月25日
昨夜、久々に星の夢を見ました。


私の見る夢と言うのはどちらかといえば脈絡もないし、たいてい翌日思いだそうとしても思い出せないものばかりです。 よく、色がついてるとかついてないとかいいますけど、それすらもはっきりしないくらい。 敢えて言えば、なんだか曇ってたような気がするので、基本的には色はついてないんだろうなと思うんですが、 時々局所的に鮮明な色があったりすることもあります。
でも、星の夢だけはなぜか別格。
場所は大抵実家の前(どうしてかというと多分今まで私が住んだことのあるところで一番空が広く見えるからだと思われます。 何しろ高い建物も山もなく、隣近所に家も街灯もほとんどなく、ほぼ360度のパノラマで天球を見上げることができます… つまりは田舎って事ですが)。
何のストーリーも脈絡もなく、ひたすら星空を見上げるのみ。
でも、その星空は現実では決してみることの出来ない美しい色と光で満たされていて、本当に印象的なのです。


今までで一番印象的だったのは、秋の昼間、雲一つない青空に、煌々と乙女座が輝いていたというものです。乙女座だけでなく、 その足下にはカラス座とコップ座も。それも、真昼の光にもまけない白く強く輝く星々が、プラネタリウムでみるみたいに星座の形に つながれているのです。
その頃、私は黄道十二星座をちゃんと繋げて見つけられるようになりたい、と星座早見盤を片手に屋根によじ登って夜な夜な星座を 探していました。その夢を見た頃、私は乙女座をつなぐことができず、獅子座の隣の星をどうつないだら良いのかさっぱりわからない 状態だったのですが、その夢をみてから、乙女座を見つけることが楽にできるようになりました。
真昼の青空に輝く星座なんて、現実では絶対に見ることができない光景ですよね。
もうあれから十数年経っていますが、いまだに忘れられない夢です。


実家を離れた頃から、星の夢はあまり見なくなっていたのですが、実家に戻ってきているからか、 本当に久々に星の夢を見ることができました。


家の前に出てみると、夜空に雨のように降り注ぐ流星雨。地平線からある程度の高度までは雲がかかっていて、
天頂の方がぽっかり空いた状態。流星雨は白や紫の軌跡を描いて降り注いでいるのです。私は数年前の獅子座流星群を見のがして 臍をかむ思いをしたのですが(その日は夜勤で、しかも良く見れた時間帯は仮眠時間にあたっていたのでした…)、 それをとりもどしたような気持ちになりました。
それが一段落すると、今度は天体写真で見るような、プレアデス星団(すばる)らしい星星が天頂をゆっくりと移動していきます。 よく理科の資料集なんかでみるような、青く輝くガスに包まれた大きな星星です。これは今思えば写真で見た記憶そのままと言う感じが します。こんな光景が肉眼で見れるなんてすごい…などと感激していると、次は渦巻き状の巨大な銀河が、まるで車窓から見えるような 勢いで東から西へ流れるように動いていくのです。
「そういえば宇宙は膨張しているんだっけ…地球もあの銀河も、宇宙の中心から毎秒遠ざかっているわけで、 いってみれば列車が並んで走っているみたいな状況だから、こんな風に見えるのかなあ…」
夢の中だけに変なところはやけに冷静にそんなことを考えていました。
続きが気になったのですが、残念ながらここで隣で寝ていた幼児が泣き出しまして、久々の星の夢はここで途切れてしまった訳です。


夢はなかなかとらえどころのないものですが、たまにこうして「見たかったものが見れる」ような夢をみると、 とても得した気持ちになります。
たまに、夢の中で「これはすごい傑作!」という漫画や小説をみることがあるので、あるとき 「これを覚えておいたら作家になれるんじゃないか」と真剣にメモをとったことがありましたが、 これはいざ目が覚めてから読み直してみるとどうにも使えないものばかりでがっかりしました。 現実はそんなに甘くないものですね…(>_<)

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