◆選り抜き記事◆
「東」と「西」の心理〜西の白虎のもたらすもの

2006年10月6日
「四神相応の地」という言葉があります。風水などで大吉とされる地相のことです(という解釈でいいはずですが…)。
具体的には、北に山々(玄武)、東に川(青龍)、南に海や広い平野など、広く天高く視野のひらけた空間(朱雀)、 そして西に大道(白虎)。これら全てを兼ね備えた土地を四神相応の地と呼び、更に丑寅(北東)に寺社仏閣等の 神仏の守りが入れば尚よしとされます。
私の実家周辺は、実は上記の条件をかなりクリアしているのですが、唯一不足しているのが「西の大道(白虎)」。
大道のもたらすものは人や物資の往来であり、その成果としての賑わい、ひいては経済的繁栄であると思われるのですが、 それを欠いた我が故郷は、気候も穏やか、平野部で住みやすいところである一方で、 経済的な賑わいとはどうにも縁遠いところです。
いや、本当は大道もあるのです。ただし東側にです。
そして、その大道のさらに東、つまり大道を西に置く、わが町の東隣の某市は、いまでこそやや凋落した印象があるものの、 かつて工業都市として大いに栄えたところです。ここでは、西の大道(白虎)がその土地に富をもたらしたようです。
前置きが長くなりましたが、本題はここからです。


不思議と世界的(多分)に共通なのが、東と西の役割です。
大抵の場合、人は発展を望む時には東へ移動しています。
一方、癒しや安らぎ、思想を求める時には西へ移動しています。
例えばシルクロードは西から東へと商人が進んできた道ですよね。文化は東西それぞれに流通していますが、 主に動いたのは西の商人でした。
一方、キリスト教では、キリスト誕生の際やってきた博士たちは東方からきたとされています。 東方からきたということは、彼等は西を目指してやってきた訳です。 西遊記では三蔵法師は経典を求めて天竺(西)を目指しますし、仏教では浄土(天国)といえば西方にあるとされています。 そういえば、ユダヤ教では、人類で初めて殺人を犯したカインが「エデンの東」に追放された…んですよね。 カインから見れば安らぎの地(エデン)は西になるわけです。
多分、普通に考えて、それは太陽の運行が関係していると思われます。
太陽が昇る方向には、何か大きなパワー、伸びゆく生命力が潜んでいるような気がするし、 太陽が沈む方角には、疲れた魂が羽を休める癒しの場や、あるいは成熟した何かが待っているような気がします。
こうした考えが妥当だと仮定するならば、
いわゆる「西の大道(白虎)」とは、交通の要所が西にあることで、発展を求める人々が東に向かうために栄えるのだと 考えられるということかな…と思うのです。


さらに飛躍させるなら、
日本は極東、日の昇る国。
世界が地球全体を認識し始めたのち、戦争を経て、日本が経済的に成功したことは、そういうものも関係しているのかもしれません。 ここまでいったらこじつけですかね。
こじつけついでにもう一つ。
アジアの西の果て、トルコは親日の国ですが、その国旗は赤字に大きく白い月と星。
日本となんだか対みたいです。いや、これはホントに余談というか書いてみたかっただけなんですが…


前半、前置きにあたる部分は、ブログに書いた時点ではかなり具体的な地名を出していたのですが (知人が見に来てくれるのが念頭にあったので分かりやすく、という意図で)、 ここではもっと一般的に読めるようにだいぶん書き直しています。
当サイトは佑月雅実の個人サークル『銀月館』が個人的趣味により運営しています。 パロディ作品も扱っていますが、他の企業、団体等とは一切関係ありません。 なお、創作・ 二次創作の別を問わず、当サイトの画像、文章、素材等の無断転用転載は御遠慮下さい。