◆星座の区分(3) 基本・定着・変通の三十字◆

地水火風4元素の表象に比べてあまり耳にしない区分ですが、大変 面白い分け方です。 地水火風の表象が主に性格面の特徴を表すのに対し、この3区分は 行動性向の特徴を表しています。 これは個人の行動力だけでなく、これらの星座にある意味を持つ惑星等が入った際、その状況が どのように続くか(変化するか)という 判断をするのにも使われます。(下段に続く)


この3区分の場合、同じグループに属する星座はそれぞれ十字を描くように配置しています。 占星術上、90度(直角)に隣り合う位置関係を『スクエア(square)』と呼び、 占星術上緊張の角度とされています。 吉・凶でいえば凶となりますが、逆に互いに刺激を与え、 変化を生む位置関係であるともいえます。 さらに、180度で向かい合う位置関係は『オポジション(opposition)』と呼び、 占星術上スクエアより更に強い緊張と反発を意味し、吉凶判断の上では大凶とされています。
しかし、スクエアにしろオポジションにしろ、 緊張の生じる角度、抵抗の生じる角度はまた大きなエネルギーが生み出される角度であり、反発するもののせめぎ合いの中から 新たな価値や力が生じてくることをも示します。
この配置もまた、トラインと同様、善し悪しの区別なく、エネルギーとして衝撃をうむ角度であると考える方が実態に即しているかも知れません。
なお、それぞれのグループに属する四つの星座全てに惑星が入った配置を 『グランドクロス』と呼び、 人生の上で困難や障害等の大きな衝撃をもたらす配置とされますが、逆にこれを克服できた場合は、幸運に転じ大発展するケースも多いとされます。 また、 グランドクロスのうち定着星座の4つに惑星が入ることで生じるものは、定着星座の性質を反映して困難な状態が膠着して事態が好転するまでに 長い時間がかかるとされています。定着星座のグランドクロスにはいろいろと興味深いいわれがあります。 有名なのは、新約聖書の巻末 『ヨハネ黙示録』第4章に出てくる、ヨハネが召された天の御座の周りに控える4つの生き物についての描写です。
………………………………………………………………
『第一の生き物はししのようであり、第二の生き物は雄牛のようであり、第三の生き物は人のような顔をしており、 第四の生き物は飛ぶわしのようであった。』
………………………………………………………………
第一と第二の生き物は文字どおりしし座とおうし座を表します。第三の「人の顔」とはみずがめ座の表象で、 水瓶をもつ少年(ガニメデ)から人の顔で表されます。第四の「飛ぶわし」とはさそり座のこと。現在の星座が 定着する以前、古代の星図などにおいて、 さそり座の星々はわしの姿に見立てられていました。つまり、この 四つの生き物は定着星座の四星座を象徴するという考え方が存在し、 このことから定着星座のグランドクロスを 「黙示録の十字」と呼ぶ人もいます。(ただし、新約聖書は基本的に 占星術等密教的要素を含む考え方は排除されているとのことです。ヨハネ黙示録の内容にあわせた、例外的な 記述であると言えるでしょう。) また、この四星座はタロットカードでもお馴染みで、ウェイト版(またはゴールデンドーン(伝統的魔術結社)系) のカードでは、「10. 運命の輪」 「21.世界」の四隅にこれらの四星座が獅子・雄牛・人の顔・鷲の姿で描かれています。 タロットに詳しい方はピンとくるかも? ちなみに、定着星座のグランドクロスは、最近では1999年8月17日夕方以降に冥王星をのぞくほぼ全ての惑星が 定着星座に入り形成された例があります (冥王星もわずかにいて座にそれただけ)。 しかも、三つの星座にその守護星(しし座に太陽、さそり座に火星、みずがめ座に天王星)が入っており、 それぞれの星座・惑星の意味が最大限に強調されるという強力なエネルギーを持ったものでした。 これだけ大規模なグランドクロスは形成頻度も大変低く、 一説では「黙示録の十字」と重ね合わせ、ノストラダムスの予言などからくる 世紀末不安もあって、不吉の前兆ではないかとささやかれたりもしました。

当サイトは佑月雅実の個人サークル『銀月館』が個人的趣味により運営しています。 パロディ作品も扱っていますが、他の企業、団体等とは一切関係ありません。 なお、創作・ 二次創作の別を問わず、当サイトの画像、文章、素材等の無断転用転載は御遠慮下さい。