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「地球へ…」原作派アニメ目線

アニメ「地球へ…」も順調にストーリーを重ね、原作の第三部、ナスカ編に突入しようとしています。
ここまでのアニメ「地球へ…」に対して、原作ファンの目線から感想を書いてみたいと思います。


まずは、当初心配していた絵柄や配色について。
これは実際みてみたらほぼ杞憂でした。原作のイメージもちゃんと保持しているし、その上で美しいデザインになっていると思います。特にシロエはオリジナルエピソードの子供時代も含めていい感じに仕上がってましたね〜。
オリジナルエピソードといえば、ソルジャーブルーたち初代ミュウたちの迫害エピソードが加えられたり、ジョミーが宇宙に旅立つ直前に幼いシロエと邂逅していたり、痒いところに手が届くようないい感じのエピソードが加えられているのがうれしいです。
細かい設定の変更もあるみたいで、シロエの出身地エネルゲイアは、ジョミーの出身地アタラクシアと同じ惑星?上にあって、その結果、成人検査で対面するコンピューターはシロエもジョミーも「テラズナンバー5」になってました(原作では、シロエは「テラズナンバー3」)。また、シロエの養父がミュウを攻撃するシステムの開発者だったりするなど、原作では対面しなかった二人が微妙に関連を持って描かれるようです。
キースについても、マザーイライザは結構はっきりデザインされてるし、エリートらしい細かいエピソードがきちんと描かれていますよね。
そういうところは本当に文句なし!です。


もう一つ、面白かったのでコメントしたいのは、シロエの立ち位置です。
シロエは全体的に比較的丁寧に描かれていたと思うのですが、原作と少しかわっている部分があるんですよね。
それは、シロエの体制(成人検査)に対する心情です。
原作のシロエは、とにかく怒りに満ち満ちています。自らの内面、不可侵であるべき精神の領域を機械が踏みにじり、いいように操作した。そのことに対する怒りが、管理者に対して従順で優秀と言われるキースへの敵意へつながっていく…という構図ですよね。
このシロエのキャラには、時代的なものがある程度反映していたと思われます。当時の若者は、不純な社会に対して純粋に「怒」るもの。そんな感じの雰囲気を、シロエも継承していた気がします。
一方、アニメのシロエは、記憶を消されたことにより、自らのアイデンティティを喪失することへの恐れの方がより強調されていた気がします。
「怒り」というより、「孤独」や「寂しさ」、流されることへの絶望まじりの抵抗、そういう心情の方がウェイトをおいて描かれていました。
これはむしろ現代的な心情に近いんじゃないかと思うのです。
おそらく、純粋な少年としてのシロエを、現代の目で解釈し直した結果そうなったと思われるもので、こういうところは時代を反映してて面白いなと思いました。
もっとも、個人的には、人間的により上だと思うのは、原作の「怒るシロエ」ですけど…。あのブレのない信念、凄まじいまでの感情、恐れを知らず真実に突き進む純粋さが後年のキースに対して大きな影響を与えたと思うのです。
アニメの「孤独なシロエ」がキースに何を残したのか、今後その辺が説得力をもって描かれることを期待しています(^-^)


でも、一方で消化不良なのが「ミュウの能力」。
ミュウの迫害される理由は、
「人間にない能力(強いESP)」
なのですが、このESPについての説明がとっても不足していると思うのです(私の思い込みでしょうか…)。今の若い人たちは、ESPとか超能力とかについて、もう少し説明やエピソードを入れていかないとわからないのではないかな〜とついつい危惧してしまいます。
実際、「ミュウってなんで迫害されてるのかわからない」という感想もどこかで目にしたような気が…

今、子供たちに「今すぐなれるなら何になりたいか」というような質問をすると、だいたい10位以内に「魔法使い」という回答が入ってきますが、私たちの世代はあれが「超能力者」だったんですよね〜。
ファーストガンダムで描かれた「ニュータイプ」(今のガンダムでもこの設定って生きてるんでしょうか。詳しくなくて…)も、おおざっぱに言えば超能力の一種のような扱いですしね。
そのくらいポピュラーな題材だったんですが、超能力=インチキみたいな話が広がったり、SFそのものが下火になっていったりした結果、最近ではこういう設定ってあまりみなくなりました。
魔法使いははっきりフィクションだとわかるのに比べて、超能力は訓練で開発できるというふれこみで、テレビの前で披露してみせる有名人(ユリ・ゲラーなど)もいたことで、後年オウム心理教などでも勧誘に悪用された形跡もありますし、その辺の影響もあるのかもしれませんが。

私としては、ぜひぜひ、ミュウのESP能力についてはしっかり演出して欲しいのです。
ジョミーがミュウの長として人間に思念波を送ったシーンでは、何というか…超能力というより電波ジャック…(orz)
「ミュウの能力ってすごい!」
という形にはならなかったような気が。
もっと特殊効果&効果音(BGM)で、ぐっと盛り上げてほしいです。
いや、それがあっての物語だと思うのですよ。
「ミュウはすごい」
「だから(能力のない)人間にとっては管理できず危険」
「ミュウは人間と同根で精神的に分化するので精神も管理しなくてはならない」
この辺がつながって初めて物語全体に緊張感が出ると思うのですが、どうでしょう。
この、精神(心)のレベルまでの干渉が、テーマ的には「思想統制・管理」といった内面の自由に関わる部分にまでつながっていくんじゃないかという気がしますし、その端緒として「ESP能力のすごさ」はやっぱり存分に表現すべきだと思うのです。



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