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■「銀月館」関係の連絡・告知、及び管理人ゆうづきの日々の雑感等■

春の選抜〜2008春 下関商

ここまでで心に残る試合は、大会二日目の
「履正社vs下関商」です。


下関商は、秋の中国大会の結果をちらっと見た限り、今年はかなり強いという印象でしたが、試合が始まってみると、やや履正社に押され気味…。そんな中、レフトとセンターが激突してレフトの選手が負傷退場、というアクシデントにも見舞われました。
どうも、この負傷退場というのは思いのほか選手たちにとって精神的ダメージを与えてしまうようです。その後の展開を見ていて、あきらかに動揺してるな、という印象を受けました。

それでも、履正社にあわや完封されようかという9回に、奇跡のような二本のソロHRが出て、同点に追いつくのです。
奇しくも9回には負傷退場したレフトの選手(和泉くん)がベンチに戻ってきています。
全員揃ったことで、いっぺんにチームが元気になった…そんな印象でした。
ショートの選手が履正社の追撃を好守備で阻んだのも素晴らしく印象的で、これで流れは下関に傾いたか…と一瞬思いました。

しかし、延長に入った10回、表の攻撃ではとんとんと凡退。その裏の履正社の攻撃で、センターがまさかの落球。サヨナラのランナーがホームインし、試合は履正社の勝利で幕を閉じました。
かなり強い風が吹いていたようですし、多分焦りやプレッシャーもあったのでしょう。しかし、勝利の女神が微笑みかけた直後の、この急転直下。
試合後、センターの選手はその場に泣き崩れ、抱えられるようにして球場を後にしました。
センターの選手は、負傷退場にもからんでいましたから、さぞ責任を感じていたことでしょう。その心中を思うと、本当に痛々しく感じます。

でも、この下関商は、やはり本来はもっと強いチームなんだろうなと思いました。大舞台でのプレイ。普段通り、100%のプレイをするというそれだけのことが、何より難しいのが甲子園なのだろうなと思います。
精神面での動揺が一気に試合の流れを変えるのも、高校野球ならではの魅力でもありますし、そこが初々しさを感じる部分でもあります。
願わくば、下関商の選手たちはこの試合で自ら潰れることなく、夏に向けて大きく成長してほしい、また甲子園に帰ってきて、今度は気持ちよく全てを出し切って欲しい、と心から思いました。


この一瞬:こぼれ落ちた白球 下関商サヨナラ●

 非情な幕切れだった。十回裏2死二塁、履正社8番・仮谷の打球は中堅右に飛んだ。横向きになって追う下関商の中堅手・竹野内。落下点がやや前方になるのを見定め、正面に構えた。この時、「少し安心した」というのを責めては酷だろう。白球は、差し出したグラブの土手に当たり、次の瞬間、転がり落ちた。スタンドのどよめきの中、竹野内は泣き崩れるしかなかった。

 竹野内には、格別の思いがあった。二回の守備で左翼の和泉と激突。和泉は脳しんとうで病院に運ばれ、ソロ2本で追いついた九回、ベンチに戻った。「何としても勝って、あいつを次の試合に立たせたかった」

(毎日jp 第80回記念選抜高校野球大会コラムより一部抜粋 文責:藤倉聡子)




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Comments

SAM|2008/04/09 10:09 PM
またおじゃまします。
私もこの試合がとても心に残っています。
9回表に2本のHRで同点に追いつくという、マンガみたいな、昨夏決勝戦の佐賀北を思い出すような展開と、突然のあっけない幕切れ。
ゲームセットで両チームが整列しても、センターの守備位置で泣き崩れて立ち上がれない竹野内君の姿。
レフトの選手が彼のユニフォームの襟を引っ張り上げて立ち上がらせ、励ましながら一緒にホームに戻ってくるときに、スタンド全体からとても大きな拍手がありましたが、暖かい拍手とはこういうものなんだと実感しました。
この試合中、何度も好守備を披露していた竹野内君は外野の守備にかなりの自信を持っているように見えましたが(馬場崎君のようにね)、「ここ一番」というところで落球してしまった彼の心中は察するに余りあります。
浜風だった上にドライブのかかった難しい打球だったので、誰も責めたりはしないはずですが、守備に自信を持っているからこそ捕球できずに自分が試合を終わらせてしまったことが、きっと大きなショックだったのでしょう。
しかし、この落球と大きな拍手をもらったことの両方が貴重な経験です。本人は苦しいでしょうがそれを乗り越えて、ぜひ夏にその姿をもう一度見たいと思う選手でした。
ゆうづき|2008/04/14 08:46 PM
コメントありがとうございます〜vv ほんとお久しぶりです〜vv
選抜の間は居ても立ってもいられなくて更新してたんですが、大会が終わってしまうとすっかり気が抜けてしまって…しばらくこちらのチェックしてなくて。
せっかくコメントいただいてたのに、レスが遅くて本当にすみません(>_<;)


本当に、この試合は印象深くて…この選抜でこのブログに記事を書こうと思ったのは、この試合を見たからといっても過言ではないくらいです。
負傷退場が出て、下関商側の雰囲気はしばらく陰鬱とした印象でしたが、ベンチに和泉くんが戻ってくることを喜ぶかのようにソロHR2本が飛び出して追いついた時には、見ているだけの私さえすごい感動を覚えました。
もう少しで勝てる…と思ったその矢先、たった一つのミスで逃した勝利。
最後の場面、泣き崩れて動けない竹野内くんを支えて歩き出したのは、ご指摘の通り、負傷退場したレフトの和泉くんでしたね。
あの場面、スタンドからの惜しみない温かい拍手も込みで、本当に胸に沁みるような一幕でした。

夏、今度はセンターとレフトと揃って、実力を存分に発揮して欲しいですね。夏は地方大会の結果もチェックしたいです。
SAM|2008/04/15 12:00 AM
いえいえお気になさらずに。こちらこそ、ごぶさたいたしました。

この試合の9回表、島田キャプテンの同点HRでベンチの選手たちが皆笑顔で飛び跳ねているのに、病院から戻ってきた和泉君一人だけは泣いているのがTVに映っていました。

高校野球って、チラッと一瞬だけ映るそんな一人の選手の姿にさえドラマが見えるから好きなんです。
自分が中高生だったときは気づかなかったことが、彼らの歳を(とっくに?)越えた今見ると、胸に迫るものがあります。

この試合でもう一人泣いている選手が映っていました。サヨナラ勝ちでお立ち台に上がった履正社のエース三村君です。彼は今まで「なんで勝って泣くんだろう」と思っていたそうですが、試合後の挨拶で下商の島田主将から「がんばってくれ」と言われて感極まったのだそうです。ひとつ大人になりましたね。

私もこの試合を生涯忘れないだろうと思います。
高校生だからこそ奥が深いです。高校野球って。
ゆうづき|2008/04/15 08:00 PM
SAMさん、
9回のHRで同点に追いついたあの時、和泉くんが泣いていたというのは知りませんでした。今回の選抜はほとんどワンセグのあまり良くない画像で見ていたので、細かいところはかなり見落としてます〜orz
おっしゃるように、そういう一瞬がドラマですよね…

履正社の三村くんの話も知りませんでした。
下関商のキャプテンとかわした言葉、その言葉に感極まった涙。
単に勝ち負けということを越えた様々なドラマが、若い彼らの心に一つ一つ鮮烈な経験となっていくのでしょうね。
それを垣間見る私たちも、何か清々しいものを分けてもらっているような気がします。

今、こうしてそのお話を伺うだけでも、その場の雰囲気が再現されるようで改めて胸に迫るものがありますよ〜。
素敵なエピソード、教えていただいて本当に感激です。
ありがとうございます〜vv

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